Diary

2017年01月05日(木)

最高にクールなデクノボー

「なんぴとも過去や未来を失うことはできない。

人が失いうるものは現在だけなのである」

ローマの哲人皇帝・マルクス・アウレーリウスはいいます。

私たちは過去を失うことができるでしょうか。
過去は単なる記憶の集積です。
過ぎ去ってしまったものをもう一度、失うことはできません。
失っているとしたら、過去を悔やんで嘆いている「現在」の時間そのものです。

私たちは未来を失うことができるでしょうか。
未来とは単なる不安と妄想です。
訪れていないものをもう一度、失うことはできません。
失っているとしたら、未来について思いを巡らして震えている「現在」の時間そのものです。

過去や未来は「思い」でしかないのです。
しかも、「現在」という、私たちがたったひとつ持っている時空間を浪費して。

私たちはほとんどの時間、過去か未来のことを考えて生きています。
よく自分を観察してみるとわかります。

あなたはいま、何を考えていますか。

失ってしまった恋人のことですか。
未来のお金の心配ですか。

私たちは人間です。
過去や未来に囚われて生きています。
私たちは過去や未来の「奴隷」です。

そんな奴隷が、一瞬、牢屋を脱獄できる時間があります。
それが「現在」です。

あなたが恋人と笑い合っている時間。
子どもと戯れている時間。
スポーツや趣味に熱中している時間。

それはあなたにとって、唯一、
過去や未来から自由に解き放たれる瞬間です。
それを仏教では、「無心」と呼びます。

人が幸せに生きるとは、
つまるところ、この「無心」を体験し続けることです。
それを禅の世界では、
「いまにしがみついていろ」などと言います。
瞑想も「いまにしがみつく」ためのレッスンの一つでしょう。

かっこわるくてもいい。
バカだと言われてもいい。

いまだけにみっともないぐらいにへばりついている人間でありたい。
他人から見れば、愚直にみえるかもしれない。
「デクノボー」と笑われるかもしれない。
でも、そんな「デクノボー」がいま、
最高にクールに見えるのです。

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